公演中止のお知らせ

クズ会エイプリルフール公演『さっきまで愛した人』公演中止のお知らせ

この度はクズ会エイプリルフール公演『さっきまで愛した人』へのご予約、誠にありがとうございます。
演劇ユニットクズ会主宰・制作の藤井のりひこと申します。

お客様へ、大切なお知らせがありますので、ご連絡させていただきます。
タイトルの通りではございますが、新型コロナウイルスの感染被害が甚大化してきた状況を鑑み、この度の公演を全て中止するという決定に至りました。

私共も直前まで最大限の対策を取った上での上演をする心積もりではありました。
しかし、昨今の状況を熟慮し、お客様をはじめ関係各位の感染の可能性を確実に減らすことを最優先とさせていただくべく、中止といたします。

大変口惜しい結果となりましたが、何よりもご予約をいただき、楽しみにしてくださっていたお客様には心よりお詫び申し上げます。

振替での上演等につきましては、メンバー・関係各位協議の上、前向きに検討しておりますが、現時点では未定でございます。
先日のお知らせと情報が二転三転したこと、重ねてお詫び申し上げます。

今後ともクズ会を何卒よろしくお願いいたします。

クズ会 主宰・制作
藤井のりひこ

主宰・藤井より

COVID-19について、本来の当日用パンフレットのご挨拶では触れておりませんでした。
・・・強いて言えば、最後の3行は表現になっていない、言わば稚拙な暗喩です。

と言うのも、我々がお届けしているものは飽くまで虚構と現実の境目で。
その「目の前で起きていること」を目撃するために、現実を思い出す必要はなく・・・。

世界規模のこの疫病を、軽く見ていた、ということではありませんが。
こんなご時世だからこそ、現実から少しの時間だけ目を背けるツールになり得たくて、直前まで公演実施を主張しておりました。
ですが、一個人、ひいては一団体の想いだけでは、「公演の強行（乱暴に言えばですが）」には至れずに。

演劇をやるために演劇をやめる、という、悲劇的な矛盾を抱えながらの決断となりました。
多くの団体が、この苦汁を舐めていることかと存じます。

いつか、平穏無事にまた公演を行える時期がやってきます。
必ず、必ずリベンジ公演は実施します。

いつの日かはわからないその先で、待っていてください。

クズ会 主宰・制作
藤井のりひこ

作・演出 朝比奈より

公演中止に際しまして

まずは関係者の皆様、ご予約いただいたお客様、応援や励ましの言葉をかけてくださった皆様へ感謝の言葉を述べたいと思います。
本当にありがとうございました。

このような情勢の中、端くれとはいえ1人の演劇に携わる人間として、演劇をやる意味を考えました。

自分自身が演劇をやる意味は何度も考えたことありましたが、演劇そのもの
ーー本を書いて、稽古をして、上演する。ということに対して。
頭では幕が開くのは当たり前ではない、と思っていながらも漠然と、演劇そのもの存在は当たり前のようなことにおもってしまっていたのかもしれません。

当然それは当たり前でなく。
その当たり前でないことを現実として受け入れるには、恥ずかしながら、自分の中ではかなり時間がかかりました。

団体として、断腸の思いでこのような結論を下したこと。当然、状況を鑑みればこれが正しいことだと思っております。正しいことだとそれこそ頭では思っていながらも、個人としては、幼い自分はこの結論をどこか受け入れ切れておりません。

今回、そのほかの団体でも我々と同じように苦汁を飲んだ方々がたくさんいるはずです。
演劇そのものが消えてしまったかのような気さえしてしまいます。

ですが、消えません。
我々ももちろん同じです。
いつか必ずこの作品をお届けします。

作・演出
朝比奈史樹